文書作成日:2026/03/26
厚生労働省は1年に1回、主要産業における企業の労働時間制度、賃金制度等について総合的に調査し、民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的とした「就労条件総合調査」を行っています。以下では、週休制、年間休日総数について、2025年の調査結果と10年前の2015年の調査結果を比較した上で、年間休日総数を変更する際の注意点を確認します。
2025年の調査結果を確認すると、「完全週休2日制」を採用している企業の割合は65.5%となりました。2015年の調査結果では、50.7%であったため、この10年間で、「完全週休2日制」を採用している企業の割合は約15ポイント増加しています。
「完全週休2日制」を採用している企業の割合を企業規模別にみてみると、表1のようになります。企業規模1,000人以上の企業と比べ1,000人未満の企業の方が、この10年間で「完全週休2日制」を採用した割合の伸び率が高くなっており、人材採用や就労環境改善の観点等から、「完全週休2日制」を導入する企業が増加していると考えられます。
| 2025年調査結果 | 2015年調査結果 | |
| 30〜99人 | 62.6% | 48.3% |
| 100〜299人 | 70.7% | 54.1% |
| 300〜999人 | 73.2% | 59.5% |
| 1,000人以上 | 77.9% | 69.3% |
年間休日総数の1企業平均を企業規模別にみると表2のようになっており、企業規模に関わらず、休日日数が増加していることが分かります。
| 2025年調査結果 | 2015年調査結果 | |
| 30〜99人 | 111.2日 | 106.2日 |
| 100〜299人 | 114.5日 | 110.0日 |
| 300〜999人 | 116.2日 | 112.0日 |
| 1,000人以上 | 117.7日 | 114.4日 |
年間休日総数を変更する際には、割増賃金の計算方法を確認することが必要です。法定労働時間を超えて従業員を働かせたとき(時間外労働)や、法定休日に働かせたとき(休日労働)、また、深夜(午後10時〜翌午前5時)に働かせたとき(深夜労働)には割増賃金の支払いが必要になります。この割増賃金は、以下の計算式から算出することになっています。
1時間当たりの賃金額 × 時間外労働/休日労働/深夜労働の時間数 × 割増賃金率
この計算式において、月給制の場合の「1時間当たりの賃金額」とは、以下の計算式により算出します。
1ヶ月の所定賃金額 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間数
ここでの「1ヶ月の平均所定労働時間数」は、就業規則や年間カレンダー等で定めた1年間の所定労働時間を12ヶ月で除したものになります。1日の所定労働時間を変更せずに所定休日日数を増やしたときは、1年間の所定労働時間数が減少することになり、その結果、割増賃金を計算する際の「1ヶ月の平均所定労働時間数」も減少します。これにより、1時間当たりの賃金額、ひいては割増賃金の単価が上昇します。
そのため、会社の年間休日日数を増やす場合には、割増賃金の単価が上昇することも念頭において考える必要があります。
10年前の調査結果と比較することで、企業規模に関わらず、週休制度や休日日数の見直しが進められていることがわかります。今後も採用競争力の強化の観点等から週休制度や休日日数の見直しを検討することもあるでしょう。その際には、当事務所までお気軽にご連絡ください。
■参考リンク
厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」
厚生労働省「平成27年就労条件総合調査 結果の概況」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
- 改めて確認しておきたい労働条件通知書の項目2026/01/22
- 労働者数50人以上の企業(事業場)に求められること2025/11/27
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